車上生活者、おのひろき王子

先頭を走るおのさんは、常に私のペースに合わせながらゆっくりと先導してくださった。おかげで、1人置いてけぼりで途方に暮れたりするようなことは1度たりともなかった。また、おのさんは、私のチェーンが外れるたびに颯爽と駆け寄って、ぱぱっと直してくださったり、なんだかとってもカッコ良かった。白馬ならぬ黄SatDRayにまたがる王子様である。
おのさんは、私ののんびりペースだと余裕余りまくりらしく、目の前をすいすい漕ぎながら、GPSをいじってみたり、水を飲んだり、写真を撮ったり、まるでSatRDay上で生活しているかのようだ。「そのうち腹の上でコーヒー沸かしたりするんじゃないか」と後ろから聞こえる会話に吹き出してしまった。